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猟師作家だるの狩暮らし
東北のツリーハウス急増。大人も子供もワクワクしてしまう「ツリーハウス」
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今回はツリーハウス製作について書いていきたいと思います。
Contents
ツリーハウスとは
その名の通りTREE（木）の上に建つHOUSE（家）です。
ゲゲゲの鬼太郎やトムソーヤの冒険などに出てくるやつですね！
惹きつけられるツリーハウスの魅力
ツリーハウスは大人も子供も何故かワクワクしちゃう不思議な建物ですよね。小さい頃つくった秘密基地を思い出してしまいます。高い場所から見下ろすことで、普段の視線とはまた別の世界に惹き込んでくれ、あの自分1人の世界がとてつもなく楽しくなんでもできてしまうんじゃないか？という気持ちにさせてくれます。
東北のツリーハウス事情
東北には震災後14個ほどツリーハウスが出来ており、全国的にもツリーハウスの多いエリアです。先日、秋田のツリーハウス建設が始まりました。
宮城県石巻市蛤浜にあるツリーハウス
実は
・水木しげるさんの「鬼太郎ハウス」
・EXILE USAさんの「DJブース・ヤシ子」
と共に表紙を飾らせてもらいました。
リンク
そもそも【蛤浜】ってどこやねん！！
ってツッコまれそうなので説明をば
蛤浜は宮城県石巻市の牡鹿半島（おしか半島）にある漁村です。検索上位に表示されるめちゃくちゃ海の綺麗な長崎県の蛤浜ではございません(笑)五島列島には小値賀町（おぢか町）という地域もあるそうです。何かとご縁がありそう・・・。
現在3世帯7人ですが、僕が震災後に訪れた時は2世帯5人の限界集落でした。
持続可能な限界集落はできるのか？3世帯7人の限界集落【蛤浜】
そもそも拠点にしている場所が4箇所ほどあるのですが、そのうちの一つが宮城県石巻市の牡鹿半島にある小さな漁...
夢が現実に
2012年６月「蛤浜再生プロジェクト」発起人の亀山（現・一社はまのね代表）は一枚の絵を持ち歩き、持続可能な蛤浜の夢を至るところで語り歩いてました。
当時の蛤浜は震災から1年経ったとはいえ無数の瓦礫が散らばり、海岸には12mもの海上コンテナや散乱した漁具など復興というより生活ができるように復旧した程度。
蛤浜再生プロジェクトがスタートし、カフェ「はまぐり堂」をオープンさせ次に描いたのがこのビジョン。
当時、東京の美大に通いながら蛤浜を応援してくれていた石屋の娘『kimi』ちゃんが書いてくれました。
かめ
ツリーハウスがあるとワクワクするよねー
だる
秘密基地とか小さい時みんなで作ってたわー！？ いつかワクワクするようなツリーハウスを作ろう！！
東北100のツリーハウスプロジェクト
「方々でツリーハウスがあったらワクワクするよねー。いつか作りたい！！」
口に十回すると夢が叶うなんて言いますが、まぁ、叶いません。
でもしつこく数百回 口にしたら叶っちゃいました（笑）
この夢が人づてに、コピーライターの糸井重里さんの耳に入り急展開。当時、気仙沼にも事務所を置いていたほぼ日では東北に100のツリーハウスをつくるプロジェクトが発足していて、図らずにも建設候補地に！！
出資元
プロジェクト３号となる蛤浜のツリーハウス（0号からあるので4棟目の建設）はヤフオク主催のリユースジャパンマーケットの寄付金から作らせていただきました。
コンセプト
ヤフオクさんから出資していただいたこともあり、新しいものだけで造るのではなく、資源を循環させて新たなモノを創り出そうという事に決めました。
蛤浜の建築はいつも大枠のデザインだけで、その都度アップグレードする設計者泣かせの建築ですw
ゆくゆくはバス停も改装して屋根にヒマワリ植えて風車で夜の電灯も賄えたらいいよね〜と妄想が広がります。
ウッドデッキ造って森で遊べる感じ
ツリーハウスビルダー
今回蛤浜で一緒に造ってくれるツリーヘッズの「竹内友一」さんはタイニーハウスやツリーハウスを通して身の丈にあった豊かな暮らしを提案するパイオニアです。
simplife上映 全国ツアーで蛤浜にも寄ってくれました
小さな暮らしをテーマに撮ったドキュメント映画「simplife」は人それぞれの豊かな暮らしを考えさせられました。
とても良い作品なので是非見てみて欲しいです。
僕はこれを観て石巻で広い土地を確保してタイニーハウス村を創りたくなりましたw
お店で自主上映会やりたい・・・・。
ツリーハウスづくりの工程
地鎮祭
地鎮祭とは、建物を建てる際に工事の安全と無事完成をお祈りする儀式のことです。また、これから工事を始め建物を建てることをその土地の神様に承諾してもらう儀式です。
日本の地鎮祭の様子
剪定
今回、バス停横の大きな欅の木にツリーハウスを建てる事になったのですが、この周辺は全く整備されておらず、藤の蔓を切る作業から始まりました。
先ずは上に登るためにロープをかけます。
このように最初は細いラインを投げ
テンションが掛かると落ちない、でもテンションが抜けると上に進む不思議な結びを使います。
上からの眺め
だる
山の木を切る際、この蔓がとっても邪魔になります。高い位置で絡まっていると、根本を切っても倒れてくれませんし、倒れたとしても、蔓に引っ張られ予想外の方向に倒れる可能性もあるので気をつけてください。
ツリークライミングの器具をつけた状態で枝を切っていきます
地上は下から枝切り
支持金具
こちらは海外からの直輸入。ツリーハウスの金具が売られてるんですね！！
ドリルで座ぼりをしてからインパクトレンチでねじ込んでいきます。
穴あけ工具
リンク
土台
支持金具を取り付けると土台となる木を取り付け。
金具との連結部は幹との干渉を防ぐため削ります。
資材は滑車を使い人力で
引き揚げたら人が登る
時々ボランティアさんも手伝ってくれます
土台の上に乗せる根太にも防腐剤を塗布
だる
土台の上に並べていくのですが、幹の向きや倒れ具合など造る木の個性によって床の大きさも変わってきます。こういう現場合わせが続くので、最初っから設計が決まっていると自由度が激減してしまうんですね〜。現場では想定外の連続です。
決めたら丸のこでcut（充電式だと楽です）
デッキ材は石巻の杉板で滑り止めとしてチェーンソーで表面を傷つけていきます
幹の周囲は育っても干渉しないように大きめに切り込み
デッキを並べるとこんな感じ
木の形と相談して決めた形に切りそろえます
全く狙ったわけではないですが、4本の幹を避けつつ仕上がった床がハート型に！
「蛤」の貝殻は唯一無二の二枚貝で縁起物として祝いの席で振る舞われたりします。
縁起のよい浜の名前とハート型の床のツリーハウス。
だる
ここで恋愛成就の祈願とかいかがでしょう（笑）
上段のウッドデッキが仕上がるとアプローチである下段のウッドデッキ制作へ。
こちらは木の形の関係上、3箇所に金具を取付けデッキを造っていきます。
1箇所はグルグル回るフリータイプなので切るのも一苦労（この日も知人がボランティアで駆けつけてくれました）
下段の床も上と同じように仕上げていきます。
ちょっと番外編
この日はボランティアが多く、人手があったので、装飾で使う為の石と、流木を拾いに。
蛤浜の景色といえば石垣
ビーチクリーンをしつつ装飾として使う
流木拾い
みんなでアプローチづくり
集めてきた浜の石を崩れないように積み上げます。
この日はみんなでワイワイしながら積み上げ
セメントで上面を固めます
デッキを乗せる下地をコンクリートビスで取り付け
この石垣の風景が蛤浜っぽい
躯体
さて本丸に取り掛かります。
建物の大きさも床との兼ね合いやイメージで自由に決めていきます。
桟木を立ててイメージづくり
大枠が決まれば下地を組んでいきます
のぞき窓に蛤浜の古民家で使われていた窓をはめ込んだり
納屋の扉を使ったり
古いものに新たな命を吹き込んでいきます。
外壁
外装材は蛤浜の杉
だる
蛤浜は津波以外にも土砂災害があったため、山の管理は最優先事項なのです。昔の慣わしに沿って冬季新月伐採、葉枯らし、自然乾燥させ家具や建材にして地産地消しています。
うろこ張りにするため全てcut
魚っぽく下を丸く切ってみました
流れ着いたゴミもアクセントに
この日は10人近い外国人ボランティアが来てくれました。公用語は英語だったので、パッションで会話w
青・赤・黄のステインも用意して彩りを
ベースの塗料は天然鉱物を水に溶いたもので口に入っても安全
だる
吊られながら張っていくわけですが、最下段は足をつく場所がないので非常にやりづらい
一列張ったところで記念写真
だる
ここ日本だよな・・・。海外みたい
1日8時間以上ぶら下がっているとお尻が痛いです
屋根
外壁を貼り終えると屋根に取り掛かります
骨組みはこんな感じ
ボランティアさんにもお手伝いいただき屋根を一枚一枚張っていきます
頂点はトタンをアポロチョコみたいに
装飾
風見鳥の代わりに飼っている羊と蛤をデザインに取り込んでみる
日の出をイメージ
あけびの蔓で蛤をつくってみた
昔の窓枠に漁業で使う瓶玉を取り付け
古い船灯
漁網でつくったドリームキャッチャー
廃校になった保育園の椅子
天井は灯り取りのために一部透明のポリカ
部屋は2畳ないくらい
看板
完成から数ヶ月後、スタンプのデザインと看板が出来上がったので設置がてら記念写真を撮影。
STAMPの中には下のハンコがあります
ハンコ
※蛇足ですが、建設中・完成後にスカパラのみなさんがツリーハウスを見に来てくださいました！バリトンサックスの谷中さんは鹿革のブレスレットもつけてライブをしてくれ、とてもいい思い出になりました！！
おはようございます！昨日のスカパラinブルレジヤバかったー！！！そして、今日もブルレジでスカパラ〜*(^o^)/*4/29(水)ONEPARKは13:00よりオープンです！！ @br9630 @tokyoskaj #石巻 #日本 pic.twitter.com/rhLO2yknPq
— ONEPARK (@ONEPARK18) April 29, 2015
ABOUT ME
離島産まれ高卒。名古屋で職人として10年勤め離職。Uターンで田舎に帰って来た直後に東日本大震災が起こり、震災ボランティアとして東北へ。石巻の限界集落【蛤浜】の再生活動をしながら複業家として独立。面白い起業家と出会える頻度が高い石巻で猟師作家としても活動中。
