【国家資格】移動式クレーン運転士で養える百姓スキル
限界集落で生活していてつくづく経験になったなーと思っているスキルの中に移動式クレーン免許があります。「移動式クレーン免許」自体が役に立っているというより、それを使って会社員として働いた経験ですね。今回はそれを記事にしてみました。
クレーンとは
そもそもクレーンて何?って方も多いですよね。
建設現場などでたまに見かける建設機械で、重たいものを吊り上げ、高い所や遠い所に移動させる重機で、英語ではcraneと書き、鶴を意味する言葉です。
そもそもこのクレーンですが、大まかに移動式クレーンと移動式以外のクレーンの2種類に分かれます。
クレーン・デリック
高層マンションの建設現場でよく見かけるタワークレーンや工場などにある門型クレーンなど
移動式 クレーン
キャタピラやタイヤのついたクレーン
移動式クレーン運転士に必要な要件
年齢・学歴は不問です。
その他に
・身体又は精神の欠陥により、免許に係る業務に就くことが不適当であると認められる者。
・労働安全衛生法第74条第2項の規定によりクレーン運転士の免許が取り消され、その取り消しの日から起算して1年を経過しない者。
※ただし、年齢は不問ですが、免許が交付されるのは満18歳以上になります。
試験会場と時期
全国に7カ所ある試験会場で年に数回試験が開催されてます。
難易度
実技
実技は63%程度(2019年)です。また、教習所に通う事により免除になる場合があります。
受験費用 : 11,100円
学科
学科は65%程度(2019年)です。4科目あり100点満点中60点以上で合格となります。
受験費用 : 6,800円
そもそも何でクレーンなのか
クレーンに乗りたいと思ったきっかけが僕の父親でした。
定年を迎えても未だ引退せず、ずっとクレーンオペレーターをしていて、実家の近くの建設現場に入っている時、母親に連れられお弁当を持って行ったんですが、その時 目に飛び込んできた大きなクレーンに一目惚れ
だる少年の夢が決まりました。
鹿児島の高校生が移動式クレーンを取った方法
移動式クレーンを取得したのは2000年 高3の秋でした。
もはや3歳からクレーンに乗って働くという夢に向かってますので、高校受験で受けたのは高専の建築科と工業高校の建築科のみ。そこそこ学力もあったので先生からは進学校を猛プッシュされましたが、目標もなく高校通うなら社会に出てお金と技術を培っ方が効率が良いと考える変わった中学生でした。高校は何歳になっても入れますし。
当時N高・ゼロ高があったら確実に選ぶタイプの中学生ですね。
高校生なので時間はありますが、鹿児島という場所の関係上、費用と取得する場所が1番のネックになります。
教習所は大分県にしかなく1週間のカリキュラムなので、受講料と宿泊・交通費で約15万円。夏休みを利用して合宿しに行きました。
試験会場は福岡県。試験日は平日だったので学校を休んで福岡へ。試験料・交通費で約3万円。
兄が私立大学に通っていて家計の状況を心配していたのと、思春期で自立心が強い時期だったので、受験費用は元より、普通免許・大型特殊とクレーン&就職に関わる全ての資格費用の大半はバイトして捻出。さすがに高校生が労働で稼ぐには大金だったので親から少し借りましたが、社会人になってすぐ返しました。
高校生の超就職氷河期乗り越え術
失われた世代
我々の世代は【失われた世代】と揶揄されるバブル崩壊後の経済低迷期で超就職氷河期。優秀な大学を出ても就職できずに露頭に迷う人もいました。
そんな中でどうやって田舎の高校生が就職できるクレーン会社を見つけたか?
圧倒的なリサーチ
それはもうただ一つ。めちゃくちゃ調べました。
進路指導室に引きこもり過去に高校へ届いた求人票を10数年分遡り、数千枚の求人票に目を通しました。すると、10年以前にクレーン会社から求人が来ていたのがわかり、先生を通して自分を売り込みに行きました。
新入社員が会社入社時点で免許を持っているという事自体珍しい。会社としては新人教育とは別で、数ヶ月間資格を取らせるために給料を払うのは勿体ないはず。
在学中に国家資格を取った理由。 実は就職氷河期の生き残り戦略でした。
そんな高校生が考えるチープな戦略が効いたのか効かなかったのか、名古屋の大手クレーン会社に入社する事ができました。
ぶっちゃけクレーンオペレーターの年収っていいの?
勤めていた会社は月給制ではなく日給月給制を採用していて、2月とGW・盆・正月はガクッと減ります。
賞与は1~1.4ヶ月分 × 2回。
日当は7,000円台から始まり、勤続年数や乗っているクレーンの大きさ、残業、夜勤、日曜出勤などで大きく変わってきます。
僕は、クレーンに乗るのが好きだったのと、早く大きなクレーンに乗るという目標もあったので、月29日〜31日出勤、夜勤4〜10日(昼夜寝ずに仕事する事も)残業50時間くらいをベースに働いていて、
20歳で年収300万円〜
23~24歳で年収400万円〜
100tクラスの大型クレーンに乗った26歳には年収500万円を超えてました。(1年の1/3以上出張)
ただ、このペースで定年まで働くにはかなりキツイです。
おすすめ度
合う合わないは性格によります。クレーンの運転技術は元より、コミュニティー能力も超重要です。移動式クレーンはその特性上、毎日現場が変わり、職人さんも違えば、業種も違います。その変化が楽しくもあり、ストレスでもあります。
女性オペレーターも活躍しており、この世界は男女の収入格差が少ないかもしれません(作業するのは機械なので)女性進出の一番のネックはトイレ問題ですね。100%トイレがある現場ばかりではないので。
まとめ 百姓に役立つスキル
移動式クレーンを運転する上で必要になってくる免許・資格
実際、移動式クレーン免許のみでは使い物になりません。移動してナンボですから。
大型免許
車両総重量が11トン以上、最大積載量が6.5トン以上、もしくは乗車定員が30人以上の車両が運転できます。中型免許と移動式クレーン免許があれば4tユニックが運転できます。(一番よく借りる車両かもしれない)
100t以上のオールテレーンクレーンを運転するのに必要。
大型特殊免許
特殊な構造を有した車両を公道で運転するために必要となる自動車免許です。
ブルドーザーやクレーン車、除雪車、ホイールローダー、ショベルカー等は公道を走る免許と作業する免許2種類必要になってきます。
80t以下のラフタークレーンを運転する場合に必要。
玉掛け
1トン以上の物を吊る場合、ワイヤーをかける為の資格です
フォークリフト
大型クレーンの組み立て解体。荷物の積み下ろしなど構内作業をする為に必要です。また、公道を走る為には大型特殊免許が必要になります。
ガス溶接
ワイヤーを交換する時やクレーンが壊れた時の修理、道具を使いやすくする時使います。
クレーン会社に勤めて身につけたスキル
車両整備
会社にもよりますが、勤めていた会社は1人1台のクレーンが割り当てられており、ボルトオンで交換できる程度の修理は自主整備が義務付けられていました。
おかげで、車の知識も豊富になり、乗用車が壊れても未だかつて修理工場に持って行った事がありません。田舎では車は必須ですし、かなり節約になります。
建築知識・職人作業
田舎で小屋を作る時やリノベーションする時には、職人さん達との仕事がとても役に立ちました。クレーンオペレーターは待ち時間もあったりするので、クレーンから降りて多種多様な職種の職人さんと一緒に仕事をしてました。コミュニケーションも取れるので一石二鳥です。
運転技術
毎日クレーンや大型車両などを運転するので運転技術は必然的に上がっていきます。悪路にはまった時の対処や地図の読解力など日々の生活に役立ちます。