【タイニーハウスDIY①】基礎工事の費用と手順|週末だけ・250万円の家づくり
「自分だけの秘密基地があったら」
そう思ったことはありませんか。
でも家を建てるとなると、数千万円。
僕たちは宮城県・蛤浜(はまぐりはま)の海辺に、
タイニーハウスを建てました。
かかった期間はほんの数ヶ月ですが週末DIYで作るとしたら
約2年半で建てる約250万円の秘密基地です。
本業は移動式クレーンをオペレーター。
同じ建築業界とは言え実際に手を動かすのはは素人同然です。
連載1回目の今回は「基礎工事」。
実際にかかった費用、業者に頼んだ場合との比較、
材料の3割をムダにした失敗談まで、隠さず公開します。
読み終わるころには「基礎工事の何にいくら掛かって、どこでつまずくか」が分かるはずです。
タイニーハウスを建てた場所|震災で無くなった漁具倉庫の跡地
家を建てたのは、蛤浜の海の目の前です。
ここには震災前、はまぐり堂オーナーのおじいさんが持つ漁具倉庫が建っていました。
でも津波で建屋は流され、残ったのは基礎だけ。

漁港の復興工事の間は、
バンク・オブ・アメリカ メリルリンチのCSR事業として、社員のみなさんと単管で艇庫を組んだこともありました。
それも本格的な復興工事が始まると、解体。
何もなくなった海辺の一角に、マリンアクティビティの拠点を作りたい。
そう動き始めたのが、このタイニーハウス計画の出発点です。


海上コンテナか平屋か|安く建てる方法
最初に考えたのは、海上コンテナを使った家でした。
海上コンテナを土台にし、その上に建物を建てる。
見た目もかっこいいし、秘密基地っぽい。
でも設計の段階で、いくつも難題が出てきます。
考えるうちに、結果的に
「平屋のほうが安く済む」
とわかりました。
タイニーハウスを安く建てたいなら、構造はシンプルなほどいい。
これが最初の大きな学びです。
とりあえず家を建てるにあたって、知識がないのはまずいので
アマゾンで『350万円で自分の家をつくる』という本を買いました。
10㎡を超えたら建築確認が必要|DIYでも必要な手続き
意外と知られていませんが、田舎の限界集落でも都市計画区域に入っている場合があります。
蛤浜も例外ではありませんでした。
10㎡を超える建物には、建築確認の申請が必要になります。
DIYだからといって、ここは省くことができません。
申請関係は、建築士の犬塚くんにお願いしました。(一般社団法人おしかリンク代表)

蛤浜のものづくりは、いつも進化系デザイン。
かっちり決めず、余白を大きく取ります。
それはなぜか。
いろんな出会いで、形が変わるからですw
おかげで犬塚くんには、何度も設計図を書き直してもらいました。
たくさん手間をかけたけれど、全ては最高の秘密基地を作るため。
「自分で建てたいけど、申請まわりが不安」という方は、まずは専門家に相談するのが一番の近道です。
正直に書くと、僕たちも書類まわりは丸ごとお任せでした。
素人が独学でやると、それだけで数ヶ月止まります。
はい「作る時間」を買うつもりで、頼れる専門家を探すのが結果的に近道です。
基礎工事の前に|寸尺法とメートル法
最初の大きな失敗は、既存の基礎を覆うように新しい基礎を打つことにしたこと。
もともと建っていた漁具倉庫の基礎は、寸尺法でした。
基礎は壊す方がお金がかかります。
だから今回は壊さず、上から埋めて活かすことに。
既存の基礎をかわすために設計はメートル法で進めました。

きれいに覆えたのですが……これがまずかった。
そもそも日本で売っている材料の規格は、寸尺法が基本です。
メートル法で躯体の設計を進めたせいで、材料費が余計にかかる事態に。
設計の段階では、まったく気づかず(汗)
まあ全部はじめてのことなので、これも勉強代ですね。
既存の基礎を砂利で埋め、いよいよ基礎工事に取りかかります。





この規格ミスの代償は小さくありませんでした。木材や資材が定尺(決まった規格サイズ)と合わず、材料の3割近くがロスになりました。
今からやり直すなら、迷わず尺モジュール(910mm基準)で設計します。日本で売っている材料は、尺に合わせてできているからです。
基礎工事のリアルな費用|外注なら50万円
先に、みんなが一番知りたい数字から。
後日、知人の外構業者に「この基礎、外注したらいくら?」と聞いたら、ざっくり約50万円でした。
実際に自分たちで掛かった材料費は、それより安く収まっています。
ただし正直に言うと、浮いたのは「お金」であって「労力」ではありません。
週末ごとの作業時間を人件費として換算すると、実質70万円以上掛かっている計算になります。
つまりDIYで作ると言うのはこういう
時間と労力と経験とのトレードです。
- 支出は確実に減るけど
- そのぶん時間と体力がかかる
- さらに工期は業者の何倍もかかる
「安く建てたい」だけなら外注も十分アリ。
「作る過程ごと楽しみたい」なら、DIYの価値があります。
基礎づくり①|鉄筋曲げ・配筋



まず鉄筋です。
ホームセンターで鉄筋を買い、ベンダーという曲げ機で一本一本、手で加工していきます。

申請用の工事写真も、このタイミングで逐次撮影。




そして配筋。
最終的には見えなくなる、とーーーっても地味な作業です。
でも、家の強度を足元から支える一番大事なところ。
焦らず、根気強くいきましょう。



基礎づくり②|基礎を打設
配筋が終わり、いよいよ1度目の生コン打設です。



ちょうど石巻でap bank fesが開かれていたので
せっかくなので「生コンフェス」と銘打って、仲間とワイワイ作業しました。
とはいえ中身は、炎天下でひたすら生コンを運んで均す、ドMなフェス。
海辺の会場で流れる曲は生コン車のエンジン音ですw




しかもここで、トラブル発生。
生コンの重みで、蓄積した金属疲労が限界に達し
一輪車のタイヤの軸が崩壊(汗)
生コンは水と比べて、約2.3倍の比重があります。
DIYで生コンを打設するときは、気をつけてください。
時間との戦いで、生コン打設中の写真はほとんど残っていません。






基礎づくり③|立ち上がりの型枠と2回目の生コン打設





中間に支え等がないと崩壊してしまうので、気をつけてください。

基礎の仕上げ|ボルトの養生とコンクリートの注意点
立ち上がりの型枠を外したら、最後に基礎の仕上げです。
土台と基礎を固定するボルトは、コンクリートが付いたまま固まると後々回らなくなって大変なので、ガムテープを巻いて養生しておきます。地味ですが、未来の自分を助けるひと手間です。

コンクリートは打設して3日ほどで、人が乗っても安心なくらいには固まります。ただし柔らかいうちが要注意。猫や犬、人が立ち入ると足跡がそのまま残ってしまいます(コンクリートあるある、ですねw)。
しっかり強度が出るまでは打設から1ヶ月ほどかかるので、駐車場をつくるときなどは、固まりきる前に車で乗り入れないよう気をつけましょう。
天板レベラーと床下換気|小さな失敗と選択の話
仕上げに「天板レベラー」という流動性の高いコンクリートを流し込み、土台の高さを揃えます。……が、初めて使ったせいで、結局ガタガタに(泣)。
レベラーは想像以上にシビアなので、これから挑戦する方は心の準備を。まあ、これも勉強代ですね。

今回は床下換気口を設けず、土台と基礎の間に隙間のあるパッキンを挟んで床下を換気する方式にしました。その代わり、雨が降るとこの通りため池状態に……。一長一短なので、地域の気候と相談して選ぶのがよさそうです。

参考:蛤浜のブログ
まとめ|vol.1で見えた、家づくりのリアル
vol.1では、
- 建てる場所の背景
- 建築確認の手続き
- 寸尺法の失敗
- 基礎工事
までをまとめました。
一つひとつの工程は、素人でも手を動かせばなんとかなるものです。
地味な配筋も、ドMな生コンフェスも、振り返れば全部いい思い出。
次回 vol.2 は、躯体の立ち上げです。「プレカット」された木材を組み立て。
大人のプラモデルのような工程に入ります。
僕の普段の仕事(猟師・蜂の巣駆除・便利屋)や、鹿革・鹿肉の商品の話は、トップページからどうぞ。
よくある質問
Q. 基礎工事だけ業者に頼むといくらですか?
A. 僕のケース(約24㎡・6m×4mのベタ基礎)で、知人の外構業者の見立ては約50万円でした。地域や地盤で変わるので、複数見積もりをおすすめします。
Q. 建築確認申請は自分でもできますか?
A. 制度上は可能ですが、僕は建築士さんに依頼しました。図面作成を含めると素人には荷が重く、時間を買うつもりで頼む方が現実的です。
Q. 基礎DIYで一番の失敗ポイントは?
A. 設計をメートル法にしたことです。日本の建材は尺基準なので、規格が合わず材料の3割近くをロスしました。
